１２世紀の絵巻諸作例の制作背景について――《信貴山縁起絵巻》を中心として――

关于12世纪画卷范例的制作背景 - 以《信贵山图画卷》为中心 -

基本信息

批准号：
16J02791
负责人：
苫名悠
金额：
$ 0.83万
依托单位：
Kyoto University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2016
资助国家：
日本
起止时间：
2016-04-22 至 2018-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

本研究の目的は、12世紀に制作された絵巻の諸作例がいかなる文脈において制作されたのか考察し、改めてその美術史上の位置付けを提示することにある。今年度は、前年度に引き続き《彦火々出見尊絵巻》に関する研究を行った。ただし、前年度とは着眼点を変え、同絵巻巻一第一段の海辺の場景の表現に着目して考察を進めた。その結果として、本段の場景には名所としての住吉のイメージが投影されていた蓋然性が高いことを明らかにするに至った。この成果に基づき、平成29年6月、日本宗教文化史学会全国大会において口頭発表を行い、その後新たな知見を加味して執筆した論文を、同年8月に『日本宗教文化史研究』へ投稿した。この論文は査読を経て、同誌21巻2号に掲載された。また、《伴大納言絵巻》の制作背景について、その比較対象として「後三年絵」（後白河院の命により制作。原本残らず）を取り上げて検討を行った。検討の結果として、同絵巻には、その制作当時において没落していた源氏とは対照的に、朝廷に奉仕することによって繁栄を極める平氏の武力を顕彰するという性格が付与されていた可能性を提示した。この成果は、平成29年11月の美術史学会西支部例会において口頭発表済みである。さらに上述の「後三年絵」の院政期絵巻における位置について、その転写本と目される《後三年合戦絵巻》（東京国立博物館）に見られる古様な絵画表現を手掛かりとして、考察を行った。この成果に基づき、平成29年12月の中国美術研究会にて口頭発表を行った。この発表内容に新たな知見を加味して、平成30年6月に学会誌『美術史』に論文を投稿する予定である。

本研究的目的是考虑 12 世纪各种画卷实例的创作背景，并重新呈现它们在艺术史上的地位。今年，继去年之后，我们对Hikobi Demison Emaki进行了研究。不过，我与去年相比改变了观点，专注于画卷1第一部分中海边场景的表达。结果发现，住吉作为名胜的图像被投影到主场景的可能性很高。基于这些结果，我们在2017年6月的日本宗教文化史学会全国会议上进行了口头报告，然后向《日本宗教文化史杂志》提交了一篇考虑了新知识的论文同年八月进行了研究。经过同行评审，该论文发表在该杂志第21卷第2期上。我们还通过与Go Sannen-e（由后白川院的订单制作，所有原件保留）进行比较，研究了Ban Dainagon Emaki的制作背景。研究结果表明，绘卷可能被赋予了赞扬平氏军事力量的特征，平氏通过为朝廷服务而蓬勃发展，而源氏则在元代衰落。其创建时间。结果于2017年11月在艺术史学会西分会例会上口头公布。此外，我们将使用《五三年合战画卷》（东京国立博物馆）中发现的旧式绘画表现形式来讨论上述《五三年画》在永政时代画卷中的地位。算是抄书了，考虑去了。基于这个结果，我于2017年12月在中国艺术研究会做了口头报告。我们计划为这次演讲增添新的知识，并于2018年6月向学术期刊《艺术史》提交论文。