カルボン酸-アミン塩よりなる二成分液晶を用いた新規反応場の創成

使用由羧酸-胺盐组成的二元液晶创建新的反应场

基本信息

批准号：
18750077
负责人：
石田康博
金额：
$ 2.3万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份：
2006
资助国家：
日本
起止时间：
2006 至 2007
项目状态：
已结题

项目摘要

我々はこれまでに、カルボン酸と第一級アミンとの塩において、どちらか一方のユニットにアルキル長鎖を導入することにより、サーモトロピック液晶が形成されることを見いだしてきた。本研究では、この酸-塩基二成分液晶を利用し、液晶中に閉じ込められた物質の化学反応について系統的な研究を行なうことにより'液晶反応場'の潜在能力を明らかにすることを目標とした。研究の初期段階として、カルボン酸ユニットとして光二量化能を有するアントラセンカルボン酸を用い、これと両親媒性アミンとの塩が形成する液晶の中でカルボン酸の光反応を行ない、反応効率・選択性を調べた。昨年度の研究において、代表的天然アルカロイドであるノルエフェドリン類似の骨格を有する両親媒性アミン、ならびにそのジアステレオマーであるシュードノルエフェドリン型の両親媒性アミンの合成法が確立された。そこで、これらの両親媒性アミンが形成する液晶の構造を調べた所、1-アントラセンカルボン酸との塩では矩形柱状液晶、2-アントラセンカルボン酸との塩では層状液晶となることが分かった。得られた酸塩基液晶を用い、アントラセンカルボン酸の光二量化反応を行なった。この反応では生成物として4種類の位置異性体が生成しうるが、興味深いことに、いずれの場合にも2種類の異性体のみ選択的に合成されることが明らかとなった。特に、ノルエフェドリン型の両親媒性アミンと2-アントラセンカルボン酸との塩を用いた場合には、キラルな異性体が主生成物(生成比70%)となり、その光学的組成に最大で86%eeの偏りが生じた。このように、結晶反応場に匹敵する選択性、ならびに結晶反応場では得難い基質一般性が達成され、本液晶反応場の有用性が示された。

迄今为止，我们发现通过将长烷基链引入到羧酸盐和伯胺的任一单元中可以形成热致液晶。在这项研究中，我们旨在通过使用这种酸碱二元液晶来阐明“液晶反应场”的潜力，并对液晶中限制的物质的化学反应进行系统研究。研究初期，我们采用具有光二聚能力的蒽甲酸作为羧酸单元，在蒽甲酸与两亲性胺形成的盐形成的液晶中进行该羧酸的光反应，从而提高反应效率和选择性。在去年的研究中，我们建立了一种与典型的天然生物碱去甲麻黄碱及其非对映体、假去甲麻黄碱型两亲胺类骨架相似的两亲胺类化合物的合成方法。当我们研究这些两亲性胺形成的液晶结构时，我们发现与1-蒽甲酸的盐形成矩形柱状液晶，而与2-蒽甲酸的盐形成层状液晶。使用得到的酸碱液晶，进行蒽甲酸的光二聚反应。尽管在该反应中可以产生四种类型的位置异构体作为产物，但有趣的是，已经表明在每种情况下仅选择性地合成了两种类型的异构体。特别地，当使用去甲麻黄碱型两亲性胺与2-蒽甲酸的盐时，手性异构体成为主要产物(70％产率)，并且其光学组成高达86％ee发生偏差。通过这种方式，实现了与晶体反应场相当的选择性和晶体反应场难以获得的基板通用性，证明了当前液晶反应场的有用性。