ガージャール朝イランにおける文学の近代化の諸相――外国語文学の翻案から――

伊朗卡扎尔文学现代化的侧面：从外语文学的改编看

基本信息

批准号：
21J13287
负责人：
木下実紀
金额：
$ 0.58万
依托单位：
Osaka University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2021
资助国家：
日本
起止时间：
2021-04-28 至 2023-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

令和4年度は、前年度に主軸としていたイラン知識人ターレボフ(1834-1911)による『アフマドの書(1)(2)(3)』（1893-94, 1906）に関する研究をまとめた上で、同時代の翻案作品である『エスファハーンのハージーバーバーの冒険』（1905）、『72派の宗教談義』(1894) との比較を行い、本研究の総括を行った。また、資料蒐集のためにイランへ２週間渡航し、イラン国立国会図書館等で資料を入手することができた。まず、『アフマドの書』については、イラン国内の教育状況や西欧諸国による植民地主義に対する批判を行いながらも、国の将来を担う理想的な人物を数多く登場させ、将来に対する希望を描いている点に特徴を見出した。立憲革命期の文学の大半は現状批判に留まり、希望溢れる未来を作品中で提示することは稀であるため、本作品の大きな特徴として指摘した。その旨を「『アフマドの書』における光のイメージと覚醒」と題し、2022年度第2回現代中東若手研究会にて発表した（2022年8月4日開催）。当研究会での指摘を反映させ、世界文学会の学会誌『世界文学 (136)』に、「アブドゥッラヒーム・ターレボフ『アフマドの書』（1893-94, 1906）にみられる西欧近代的理想郷」と題した論文を発表した（2022年12月）。本作品の分析を踏まえ、上記で挙げた他２作品との比較研究を行い、「イラン立憲革命前夜の在外イラン知識人による翻案文学の諸相」と題した学位論文を提出した。本論文では、作品分析を通してガージャール朝時代のペルシア文学における「翻案」の諸相を考察した。当時のイラン知識人にとっては「翻訳」という言説的空間が、今日的な意味での「翻案」そして「創作」、および外来の知識授受、文化翻訳、言語置換等の諸要素が比較的に自由に行われる一つの文学的共有場としての役割を果たしていたことを指摘した。

2020财年，我们将总结上一年的主要关注点伊朗知识分子塔勒博夫（1834-1911）对《艾哈迈德之书（1）（2）（3）》（1893-94、1906）的研究。，以及《伊斯法罕哈齐巴巴历险记》（1905 年）和《七十二教派的宗教话语》（1894 年）的当代改编版。通过将结果与以下结果进行比较来总结本研究。我还前往伊朗进行了两周的资料收集，并在伊朗国家国会图书馆等地获得了资料。首先，《艾哈迈德之书》在批评伊朗的教育状况和西方国家的殖民主义的同时，也描绘了对未来的希望，描绘了许多承载国家未来的理想人物，我发现了这一点的特点。宪政革命时期的文学大多局限于对现状的批判，很少有作品能够呈现充满希望的未来，我指出这是这部作品的一大特色。这是在2022年第二届当代中东青年研究会（2022年8月4日举行）上发表的，题为“艾哈迈德书中的光与觉醒的形象”。反映我们研究小组的研究结果的是，世界文学协会的期刊《世界文学（136）》发表了《阿卜杜勒拉希姆·塔勒博夫的《艾哈迈德之书》（1893-94年，1906年）中发现的西方现代理想》，发表了一篇题为“Go”的论文。（2022 年 12 月）。基于对这部作品的分析，我与上面列出的另外两部作品进行了比较研究，并提交了一篇题为“伊朗立宪革命前夕国外伊朗知识分子改编文学的方面”的论文。本文通过对作品的分析，探讨了卡扎尔时期波斯文学“改编”的各个方面。对于当时的伊朗知识分子来说，“翻译”的话语空间相对没有今天意义上的“改编”、“创造”、外来知识交流、文化翻译、语言替代等因素。他指出，这是一个文学分享的场所。