古代エジプトにおける器物奉献儀礼の通時的展開過程の復元

古埃及器皿祭祀仪式历时发展过程重构

基本信息

批准号：
21J00186
负责人：
山崎世理愛
金额：
$ 2.33万
依托单位：
Kanazawa University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2021
资助国家：
日本
起止时间：
2021-04-28 至 2024-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

古代エジプトにおける食糧以外の供物を死者へ捧げる「器物奉献儀礼」の展開（古王国・中王国・新王国時代）を解明すべく、当該年度は主に図像・文字資料の集成と分析を行った。すでに研究を進めてきた中王国時代に関しては、オブジェクト・フリーズと呼ばれる棺装飾の集成済資料をもとに、「王権の象徴」という一群の器物について、図像表現とその文字ラベル（銘文）の対応関係、棺上の描写傾向を分析した。そして、中王国時代において複数種類ある器物奉献儀礼のうち、「王権の象徴」を捧げる儀礼は他とは異なる描写傾向があることを明らかにした。具体的には、他の器物奉献儀礼は地域を超えた典礼として確立されていった一方、「王権の象徴」を捧げる儀礼はごく一部の遺跡から出土した少数の棺にのみ描かれ、全地域的には実践されず当時の社会的地位の再生産にも利用されていなかったことが分かった。また、古王国から中王国時代における器物奉献儀礼の展開を復元するために、墓の埋葬室内に描かれた最初期のオブジェクト・フリーズの集成も進めた。そして、最初期のオブジェクト・フリーズは、これまで指摘されてきた以上に古王国時代のピラミッド・テキストの影響を受けていることを指摘した。新王国時代の検討としては、器物奉献儀礼の場面を描いた壁画の集成を進めるとともに、そこに表された内容を中王国時代のオブジェクト・フリーズと比較し、共通点・相違点を抽出した。当該期については研究の基礎を構築している段階であり、今後も分析・考察を深めていく予定である。また、第二中間期における様相も棺装飾などから検討する必要がある。今後は、中王国時代を軸としながらも、その前後の時代の器物奉献儀礼について多角的な研究を進め、儀礼の変遷とその背景を明らかにしていく。器物奉献儀礼の長期的な展開を追った研究は管見に触れず、古代エジプトの葬送文化を新たな視点で捉えられる本研究の意義は大きい。

为了阐明古埃及向死者提供除食物以外的祭品的“器皿祭祀仪式”的发展（古王国、中王国和新王国），今年我们主要收集和分析了图像和文字。材料。。对于已经进行过研究的中王国时期，我们根据收集到的被称为器物楣的棺材装饰材料，调查了一组被称为“象征符号”的器皿的图像表达与其文字标签（铭文）之间的对应关系。王权。”分析了棺材上的关系和描绘趋势。他还澄清，在中王国期间发生的多种类型的器皿奉献仪式中，致力于“王权象征”的仪式往往与其他仪式有所不同。具体来说，虽然其他器皿祭祀仪式被确立为超越地区的仪式，但祭祀“王权象征”的仪式仅在从少数遗址中出土的少数棺材上描绘，而且事实证明，它在当地并没有实行。并不是用来再现当时的社会地位。此外，为了重建从古王国到中王国礼器祭品的发展过程，我们开始组装最早的墓葬墓室内的饰带。他还指出，最早的物品饰带受古王国金字塔文本的影响比之前提到的要大。在研究新王国时期时，我们整理了一系列描绘祭祀场景的壁画，并将其中描绘的内容与中王国的饰带进行比较，以找出共同点和差异。我们目前正处于奠定这一时期研究基础的阶段，我们计划继续深化分析和思考。还需要考虑第二中期棺材装饰的出现。今后，我们将继续以中王国时期为中心，对该时期前后的器皿礼制进行多方面的研究，厘清礼制的变迁及其背景。追踪器皿祭祀仪式长期发展的研究并不涉及关门，这项研究意义重大，它让我们从一个新的角度看待古埃及的丧葬文化。