18-19世紀中央アジアにおけるタリーカとムスリム地域社会の形成に関する研究

18-19世纪中亚塔里卡和穆斯林当地社区形成研究

基本信息

批准号：
21720255
负责人：
河原弥生
金额：
$ 2万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份：
2009
资助国家：
日本
起止时间：
2009 至无数据
项目状态：
已结题

项目摘要

本研究課題は、中央アジアにおけるタリーカ(スーフィー教団)の発展と、ムスリム地域社会の形成との関わりに焦点を当て、特にウズベク諸ハーン国時代からロシア帝国統治期におけるその歴史的展開を明らかにするための史料を現地調査で収集し、タリーカの内部構造を解明するとともに、タリーカと政権、民衆との相互関係について分析することを目的とした。今年度は、第一に、タジキスタン共和国山岳バダフシャン自治州において、未だ民間に所蔵される写本、文書史料の調査と収集を行った。バダフシャン地域は、中央アジア東西間および中央アジアとインドの間の結節点であるが、当該地域におけるイスラーム社会の実態を反映した種々の興味深い史料を発掘することができた。第二に、イラン・イスラーム共和国において、現代におけるタリーカの活動の調査を行った。イラン領を含むいわゆるクルディスタン地域には、現在でも、ナクシュバンディー教団のムジャッディディーヤの活動が続いており、また、タリーカと相似しつつも自らをタリーカとは別の組織であると見なすアフリ・ハックと呼ばれる集団の活動も見られる。それらに関して、修業活動の撮影を含むフィールド調査を実施するとともに、関連文献の収集を行った。第三に、本研究課題のテーマに関連して、ウズベキスタンで行われた国際会議において、研究報告を行った。そこでは、収集史料のうち、主にタリーカの師弟関係を明らかにする「免許状」を分析し、19世紀のフェルガナ盆地におけるナクシュバンディー教団ムジャッディディーヤの発展について明らかにした。また、この口頭報告をさらに発展させ、『内陸アジア史研究』に論文として投稿した。以上のような調査・研究を通して、中央アジアのタリーカの発展に関する一次史料を収集することができ、特にナクシュバンディー教団ムジャッディディーヤの活動に関して、具体的な知見を得ることができた。

本研究课题重点关注塔里卡（苏菲派）在中亚的发展及其与穆斯林当地社区形成的关系，特别揭示了其从乌兹别克汗国时代到俄罗斯帝国统治时期的历史发展。本研究的目的是通过实地调查收集历史资料，阐明塔里卡的内部结构，分析塔里卡与政府和人民之间的相互关系。今年，我们首先对塔吉克斯坦共和国山区的巴达赫尚自治州私人收藏的手稿和文献进行了调查和收集。巴达赫尚地区是中亚东西部以及中亚和印度之间的交界处，我们能够发掘出各种有趣的历史资料，反映该地区伊斯兰社会的现实。其次，我们对伊朗伊斯兰共和国当代塔里卡活动进行了调查。在包括伊朗领土在内的所谓库尔德斯坦地区，纳克什班迪教派的Mujaddiyya至今仍在活动，还有一个与塔里卡类似但自认为与塔里卡不同的非裔组织。还可以看到一个名为“哈克”的团体的活动。针对这些，我们进行了实地调研，包括拍摄培训活动，收集相关文献。第三，我在乌兹别克斯坦举行的国际会议上发表了与本研究项目主题相关的研究报告。在收集的史料中，我主要分析了揭示塔里卡师徒关系的“许可证”，揭示了19世纪费尔干纳盆地纳克什班迪教派Mujaddiyya的发展。另外，我进一步完善了这份口头报告，并将其作为论文提交给《亚洲内陆史研究》。通过上述调查研究，我收集到了有关中亚塔里卡发展的第一手历史资料，特别是对纳克什班迪宗教团体Mujaddiyya的活动有了具体的了解。