人権条約における人権概念の理論的枠組みの構築－人権条約の域外適用問題を通して－

构建人权条约中人权概念的理论框架——通过人权条约的域外适用问题——

基本信息

批准号：
11J07176
负责人：
杉木志帆
金额：
$ 0.83万
依托单位：
Kyoto University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2011
资助国家：
日本
起止时间：
2011 至 2012
项目状态：
已结题

项目摘要

本研究では、第一に、人権条約がその締約国の領域外で例外的に適用される範囲を確定し、第二に、何故、第一の研究で得られた範囲まで人権条約が域外適用されるのかを理論的に明らかにすることを目的とする。第一の研究課題について、平成24年度は欧州人権条約についてさらに学説整理と判例研究を深め、欧州人権委員会及び欧州人権裁判所の決定・判決から導き出される域外適用基準をより精緻化するよう務めた。その結果、締約国が、人権を侵害されたと主張する個人の処遇について直接決定を下したわけではない場合、すなわち、当該個人の処遇について対処能力を有さない場合には、原則として域外適用は認められないことが明らかとなった。他方、2011年のAl-Skeini対英国事件判決のように締約国が自国領域外の地域を実効的に支配する場合には、締約国が特定の個人の処遇について対処能力を持たない場合にも、例外的に域外適用が可能となることが導き出された。これを踏まえ第二の研究課題では、欧州人権条約上の管轄の範囲が、締約国の対処能力の有無という基準によって、すなわち締約国と個人との間の関係性によって決定されることは理論的に妥当であるかどうかについて検討を行った。そのため、一般国際法上の管轄権(jurisdiction)概念と欧州人権条約上の管轄(jurisdiction)概念との間に何らかの連関があるのかどうかという点について特に考察を行い、ある程度肯定的な示唆を得た。以上の成果は、国際法研究会において口頭にて発表を行った。これに加えて、平成24年度は、自由権規約委員会見解に関する評釈1本と国内重要判例の英訳1本を公表した。

这项研究首先旨在确定人权条约在国家党领土之外的特殊应用，其次是从理论上阐明为什么人权条约在第一项研究中获得的范围内应用领土之外的范围。关于第一个研究主题，2012年，我进一步努力进一步组织《欧洲人权公约》的理论和研究，并进一步完善欧洲人权委员会和欧洲人权法院的决策和判决的申请标准。结果，据透露，如果缔约国没有直接决定对个人声称其人权遭到侵犯的人的待遇，则不允许进行区域申请，也就是说，如果它没有能力处理个人的待遇，则不允许。另一方面，发现当一方有效控制其领土以外的地区时，就像2011年的al-Skeini诉英国案中的决定一样，可以像2011年的决定一样将其应用于领土之外。考虑到这一点，第二个研究主题研究了理论上是否合理的是，欧洲人权公约下的管辖权范围是由当事方是否有能力处理的标准（即当事人与个人之间的关系）确定的。因此，我们特别考虑了一般国际法管辖权概念与欧洲人权公约下管辖权的概念之间是否存在任何联系，并有一些积极的建议。以上结果是在国际法研究小组口头提出的。此外，2012年，发表了一份关于《自由权利委员会守则》和《重要国内判例法先例》的英文译本的评论。