日本の企業における従業員による企業統治の成立過程の研究兼松史料をもとに

日本企业员工建立公司治理的过程研究——基于兼松史料

基本信息

批准号：
05J52832
负责人：
井上真由美
金额：
$ 0.7万
依托单位：
Kobe University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2005
资助国家：
日本
起止时间：
2005 至 2006
项目状态：
已结题

来源：
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-05J52832/
关键词：
コーポレート・ガバナンス従業員持株制度商社経営史

项目摘要

本研究の目的は、戦前のわが国における従業員持株制度の導入過程とその運用実態を評価することにある。従業員持株制度に着目するのは、それが所有者と従業員という異質のステークホルダーを結合させる、企業統治論的にきわめて興味深い制度だからである。しかしながら、既存研究では、実際の制度の運営がどのように行なわれていたかついて十分に検討されておらず、その実際上の問題点や限界点などは不明のままである。そこで本研究では、わが国で最も早い時期に制度を導入した企業の一つである兼松株式会社を対象に、上記の課題に取り組んだ。17年度は2次史料である「兼松商店史料」を中心に、戦前の兼松における従業員持株制度の生成、確立過程(明治から昭和にかけて)を概観した。そこで18年度は1次史料である「日豪間通信」、「兼松奨励会日記帳」を分析することで、従業員持株制度が企業統治上果たした役割と制度の限界点について考察を行った。その結果明らかとなったのは,兼松では従業員持株制度に独自の内部統治のための工夫が構じられていたために、経営責任者の暴走や背任行為が未然に防がれていたこと。さらに、将来の経営者候補たる従業員に対しても、株式配分を工夫することで、当社の成員としてふさわしい行動様式の浸透が図られていたということである。しかし,この制度が持続するための条件は厳しいものであった。ひとつは資金運用上の問題(会社の成長・発展と従業員への利益配分のバランスをとること)である。もうひとつは、大正後期以降、創業者の理念を体現するものであるはずの制度の運用が、やや安易な方へと流れてしまっていたことである。これは当社の精神的支柱であった準創業者の死と関係しているように思われる。その結果、当初もっていた機能が十分に果たせなくなり、創業者の理念を体現する制度の意義が希薄化していったことも、この制度の限界を示すものであったといえよう。

本研究的目的是评估战前日本引入员工持股计划的过程及其实际运作状况。我们之所以关注员工持股，是因为从公司治理的角度来看，这是一个非常有趣的系统，因为它结合了所有者和员工的不同利益相关者。然而，现有研究尚未充分考察该系统的实际运行方式，其实际问题和局限性仍不清楚。因此，在本研究中，我们在日本最早引入该系统的公司之一兼松公司解决了上述问题。 2017年，我们以二手史料《兼松书店史料》为中心，概述了战前兼松员工持股制度的创建和确立过程（从明治时代到昭和时代）。因此，我们在2018财年通过对第一手史料《日澳通信》和《兼松振兴会日记》的分析，来考察员工持股制度在公司治理中所发挥的作用以及该制度的局限性。。由此可见，兼松的员工持股制度具有独特的内部治理体系，可以防止高管失控或失信。此外，通过在未来管理职位候选人之间设计股票分配，努力灌输适合公司成员的行为模式。然而，这一制度继续存在的条件十分严峻。一是资本管理问题（平衡公司的成长和发展与员工的利润分配）。另一个问题是，自大正时代后期以来，本应体现创始人理想的制度变得有些随和。这似乎与作为公司精神支柱的副创始人的去世有关。这样一来，这个制度就不再能够充分发挥其原有的功能，体现创始人理想的制度的意义也随之减弱，可以说是这个制度的局限性的体现。