日本における文化権の思想的・歴史的背景-憲法25条「文化」を手がかりに-

日本文化权的思想和历史背景——基于宪法第25条“文化”——

基本信息

批准号：
09J10102
负责人：
中村美帆
金额：
$ 0.9万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2009
资助国家：
日本
起止时间：
2009 至 2012
项目状态：
已结题

项目摘要

本研究の目的は、日本国憲法制定当時に「文化」についてどのような議論がなされていたかを明らかにすることで、日本国憲法下で文化政策を論じる基本的な前提を確認し、もって日本社会に根ざした基本的人権として文化権概念を構築し保障していくための出発点とすることである。今年度は日本国憲法の成立過程のプロセスで「文化」あるいは「文化国家」とい国憲法の成立を法制定・公布における「文化」をめぐる議論を軸に憲法制定過程を整理し直して論文にまとめた(現在投稿・査読中)。戦後当時「文化」は敗戦国日本だけでなく占領したアメリカも言及したが、その用法は一様ではなかった。敗戦直後に成立した東久邇宮内閣では「文化」という言葉をかなり積極的に発言しており、官僚レベルのかなり早い段階での憲法改正の検討でも文化に関する指摘はなされていた。憲法策定の公式のプロセスで文化をめぐる議論が活発化するのは草案作成以降、主に議会の議論においてであり、政府案作成の議論よりも民間草案の方が「文化」に関する論点を提示していた。帝国議会では「文化国家」、「文化」「民主主義」「平和」「教育」といった言葉が頻出し、重要性が指摘された。そして節目節目の勅語でも「文化」は語られていた。最終的に条文に反映されたのは25条1項の生活水準に関する「文化」のみであったが、それ以外でも「文化」に関しては貴族院における「芸術の自由」をはじめとする様々な議論が行われ、その中には通常の行政とは別の「特別ノ美術行政ニ相應シイ機構ヲ考ヘナケレバナラナイ」という発言をはじめ現代の文化政策に通じる問題意識もうかがえる。今日の日本社会の秩序が形作られていった憲法制定過程において、すでに文化に関して多様な議論が行われていたことが明らかになった。以上をまとめた論文の内容については、本年度に実施した学会発表の場でも紹介している。

本研究的目的在于厘清日本宪法制定时关于“文化”的讨论，确认日本宪法下讨论文化政策的基本前提，并以以此为起点，建立和保障文化权利这一根植于社会的基本人权的概念。今年，在日本宪法制定过程中，我们将围绕我总结的围绕“文化”和法律颁布中的“文化”的争论，撰写一篇重新整理宪法制定过程的论文。它（目前正在提交和同行评审中）。战后，不仅战败国日本使用“文化”，被占领的美国也使用“文化”，但其用法并不统一。战败后立即成立的东国宫内阁相当积极地提及“文化”一词，官僚层面很早就在修宪考虑中也指出了文化。在官方制宪过程中，关于文化的争论在草案起草后变得更加活跃，主要是在议会辩论中，而私人草案比政府草案的制定提出了更多关于“文化”的争论。在帝国国会中，“文化国家”、“文化”、“民主”、“和平”、“教育”等术语被频繁使用，并指出了它们的重要性。《圣旨》中的里程碑也提到了“文化”。最终，文中只反映了第25条第一项中与生活水平相关的“文化”，但除此之外，众议院内还有“艺术自由”等有关“文化”的各种讨论。讨论中包括“我想考虑建立一个专门的艺术管理组织”，该组织与常规政府管理分开，并表现出对与当代文化政策相关的问题的认识。很明显，在塑造当今日本社会秩序的宪法制定过程中，已经发生了各种有关文化的讨论。总结上述内容的论文内容也在今年举行的会议报告中进行了介绍。