フラストレート磁性体の固体化学的構造制御による新奇磁性の開発

通过受挫磁性材料的固态化学结构控制开发新型磁性

基本信息

批准号：
14J07886
负责人：
石川孟
金额：
$ 1.22万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2014
资助国家：
日本
起止时间：
2014-04-25 至 2016-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

本研究では磁気フラストレーションの効果が期待される磁性体を対象とし、結晶構造の制御を通じて磁気相互作用を変化させ、新奇磁気状態を実現すること、および、研究対象物質の拡大を目的とした。特に、二次元のカゴメ格子と正方格子を持つ磁性体の高品質な試料を合成し、詳細な物性測定により磁性を解明した。具体的には、歪んだカゴメ格子磁性体volborthite Cu3V2O7(OH)2 2H2O, その類縁物質であるengelhauptite KCu3V2O7(OH)2Cl、カゴメ三角格子磁性体NaBa2Mn3F11、正方格子磁性体AMoOPO4Cl(A=K,Rb)の磁性を調べた。Volborthiteにおいては、強磁場磁化測定により1/3磁化プラトー相とその直下の磁場領域にスピンネマティック状態と考えられる新奇磁気相を発見した。類縁物質のengelhauptiteと結晶構造、および、磁性を比較することにより、スピンモデルについて知見を得た。さらに、磁気熱量効果の測定を行い、詳細な温度-磁場相図を明らかにした。NaBa2Mn3F11に関しては、共同研究において粉末中性子回折実験を行い、複数の波数ベクトルにより表される非自明な磁気秩序相を発見した。本物質では、最近接磁気相互作用よりも次近接相互作用が強い、特殊なフラストレート格子が実現していると考えられる。AMoOPO4Cl(A=K,Rb)においては、最近接と次近接の磁気相互作用の競合を期待したが、両物質ともに次近接相互作用が強く、フラストレーションは弱いことが分かった。しかしながら、両物質を比較すると磁気相互作用が格子定数に敏感に変化することが明らかとなった。今後、加圧実験によるフラストレーションが増大が期待され、スピン液体状態などの新奇磁気状態の発見が期待できる。以上の成果は、フラストレート磁性分野の実験研究の進展に寄与したといえる。

在本研究中，我们重点关注预期具有磁挫败效应的磁性材料，旨在通过控制晶体结构改变磁相互作用来实现新的磁态，并扩大材料的研究范围。特别是，我们合成了具有二维戈薇晶格和方形晶格的磁性材料的高质量样品，并通过详细的物理性质测量阐明了它们的磁性。具体来说，我们研究了畸变kagome晶格磁性材料Volborthite Cu3V2O7(OH)2·2H2O、其有关物质engelhauptite KCu3V2O7(OH)2Cl、kagome三角晶格磁性材料NaBa2Mn3F11和方形晶格磁性材料AMoOPO4Cl(A=K,Rb)。的磁性在Volborthite中，我们通过强磁场磁化测量发现了1/3磁化平台相和一种新的磁性相，该相被认为是在其正下方的磁场区域中的自旋向列态。通过将晶体结构和磁性与相关物质恩格勒辉石进行比较，我们获得了有关自旋模型的知识。此外，我们测量了磁热效应并揭示了详细的温度-磁场相图。对于NaBa2Mn3F11，我们在联合研究中进行了粉末中子衍射实验，发现了一个由多个波矢量表示的非平凡的磁有序相。据认为，这种材料实现了特殊的受抑晶格，其中相邻磁相互作用强于最近邻磁相互作用。在 AMoOPO4Cl (A=K,Rb) 中，我们预计最近邻磁相互作用和下邻磁相互作用之间存在竞争，但我们发现两种材料的下邻相互作用很强，而挫败感很弱。然而，两种材料的比较表明，磁相互作用对晶格常数的变化敏感。未来，加压实验带来的挫败感预计会增加，并且有望发现自旋液态等新型磁态。上述成果可以说推动了受阻磁领域实验研究的进展。