中世内海地域における歴史空間論の構築－環有明海地域を素材として－

中世纪内海地区历史空间理论的建构——以有明海地区为素材——

基本信息

批准号：
12J07388
负责人：
貴田潔
金额：
$ 2.32万
依托单位：
Waseda University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2012
资助国家：
日本
起止时间：
2012-04-01 至 2015-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

採択期間の最終年度であり、研究実施計画では前年度までの現地調査にもとづく成果の公開を目標に定めていた。具体的には（ⅰ）村落に関する総合的な報告書の刊行と（ⅱ）個別の学術論文の発表である。概ね上記の目標を達成するとともに、佐賀県・福岡県・熊本県・長崎県の各県域で最終的な補充調査を実施することができた。（ⅰ）の成果としては、『筑後国水田荘故地調査報告書　地誌編・史料編補遺』を刊行した。前年度の『筑後国水田荘故地調査報告書　史料編』が近世・近代史料の目録と翻刻を主としたのに対して、本書では古老の方々からの聞き書きを収録した。水田荘故地（現福岡県筑後市）は太宰府天満宮関係史料に多く現れる重要な中世荘園の故地でありながら、昭和62年から大規模な圃場整備事業が実施されてきた地域であった。しかし、旧来の景観に関して、聞き書きのなかで古老の方々の記憶を記録できたことは大きな達成点であった。さらに、地域に残る考古資料・文献史料の概要を踏まえることで、現代につづく村落の変遷を整理することができた。（ⅱ）の成果としては、2本の論文、漁村地域に関する「環有明海地域における海辺寺院の存立」、農村地域に関する「筑後国広河荘故地を歩く」を発表した。両者はともに中世寺院を中心に形成された集落に関する研究であり、それぞれ漁村と農村における集落のあり方を景観の視点から論じることができた。なお、3年間の採択期間における最終的な補充調査として、各県域での現地調査を実施できた点も強く述べておきたい。特に、重要な調査実績として、長崎県雲仙市の大川地区に関するものが挙げられる。中世の大河村に相当する地区であり、13世紀初頭には田地の耕作のほか、畠地で桑が栽培されていたことが知られる。地元の方々からの聞き書きでも現代の養蚕のあり方を知ることができたが、今後、中世から現代に至る村落景観の変遷を考える上で貴重な情報になった。

今年是采用期的最后一年，研究实施计划设定了根据截至上一年进行的实地调查发布结果的目标。具体来说，包括（i）发表村庄综合报告和（ii）发表个人学术论文。除了基本实现上述目标外，我们还对佐贺县、福冈县、熊本县、长崎县等各县进行了最终的补充调查。其结果是，我们出版了《筑后国水田庄故乡调查报告：地形和史料补编》。前一年的《筑后国水田庄园遗址调查报告·史料版》以近代及近代史料的编目和重印为主，而本书则包含了对老人的采访。水田庄园的发源地（现福冈县筑后市）是太宰府天满宫相关历史文献中出现的重要的中世纪庄园的发源地，也是进行大规模农田改良事业的地区自1986年起出炉。不过，能够通过聆听老风景来记录老人们的记忆，已经是一大成就了。此外，通过考虑该地区残留的考古和文学材料的轮廓，我们能够组织该村庄持续至今的变化。 (ii)的结果，发表了两篇论文：关于渔村地区的《有明海地区海边寺庙的存在》和关于农村地区的《漫步筑后国广贺庄的故土》。这两项研究都是关于中世纪寺庙周围形成的村庄，我能够分别从景观的角度讨论渔村和农庄的聚落状况。我还要强调的是，我们能够在三年的选拔期间对每个都道府县进行实地调查，作为最终的补充调查。特别重要的研究成果包括与长崎县云仙市大川地区相关的研究成果。该地区相当于一个中世纪的大河村，据了解，在13世纪初，除了耕稻田外，田里还种植桑葚。通过与当地人的访谈，我了解了现代养蚕业，这些信息对于思考从中世纪到现在的村庄景观的变化非常有价值。