アントナン・アルトーの作品における「色彩」の役割をめぐって

论“色彩”在安东尼·阿尔托作品中的作用

• 批准号: 11J04916
• 负责人: 稲葉 剛
• 金额: $ 0.77万
• 依托单位: Waseda University
• 依托单位国家: 日本
• 项目类别: Grant-in-Aid for JSPS Fellows
• 财政年份: 2011
• 资助国家: 日本
• 起止时间: 2011 至 2013
• 项目状态: 已结题
• 来源: https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11J04916/
• 关键词: アントナン・アルトー; シュルレアリスム; 文学における色彩表現; 文学とイメージ; 文学と絵画; アヴァンギャルド芸術; エクリチュール研究; 作家と画家; フランス文学; クレオール文学; テクストにおける色彩表現; 前衛芸術; テクストにおける色彩; テクストにおける絵画; イメージ論; 文学と美術; メキシコ; 身体論

採用期間の最終年度にあたる今年度の研究目的は、ごく近い将来に海外研究委託先(リヨン第二大学ルイ・リュミエール)に提出される博士論文の完成にあった。とりわけ、研究対象の作家であるアントナン・アルトーの仕事のうち、その晩年にあたる1940年代に書かれた作品を分析し、そこで「色彩」が果たしている役割を明らかにすることを主たる目的とした。今年度の研究方法のなかでとりわけ大きな位置を占めたのは、アクセスの難しい文献の収集とその分析であった。その際とくに記しておくべきは、特別研究員奨励費の一部を用いた文献の購入と調査旅行であろう。予算を利用することによりなかなか閲覧する機会が得難い比較的高額な資料を入手することができたと同時に、購入が難しいような発行部数が少ないあるいはあまりに発行年度が古いなどの資料に関してもまた、フランス国立図書館のミッテラン館などに赴き、複写などの手段によって収集することができたからである。以上の作業を通して目を通すことで得られた成果として挙げられるのは、この作家が亡くなった直後にいくつかの雑誌で組まれた特集号など、1940年代当時の文献を数多く収集できたことである。現在の研究水準から鑑みるとたしかに物足りない分析に終始している資料も少なくないが、しかしそこから浮かび上がるのは、西洋の理性中心主義あるいはキリスト教の一神教的な思想風土にひとり抗い孤独に殉教したという、フランスでも散見されるもののとりわけ日本において依然として広く共有されている安易な詩人の姿ばかりではないのである。この当時からすでにアルトーは、複数のジャンルをまたぐその仕事を把握するべく分析される作家だったのだ。それゆえ当該研究の「色彩」という視点は、アルトー研究が始まった直後に期待されていたような、この作家の全貌を明らかにするものであるという裏付けをとることができたのだった。

今年的研究是招募期的最后一年，其目的是完成一篇博士论文，该论文将在不久的将来提交给海外研究合作伙伴（里昂第二大学路易斯·卢米埃）。特别是，本研究的主要目的是分析所研究的作者安东尼·阿尔托（Antonin Artaud）晚年创作于 20 世纪 40 年代的作品，并阐明色彩在这些作品中所扮演的角色。今年研究方法的一个特别重要的方面是收集和分析难以获取的文献。特别值得注意的是使用部分特别研究员补助金购买文献和研究旅行。通过预算，我们能够获得相对昂贵、难以观看的材料，同时，我们能够获得难以购买的材料，例如发行量较小或出版时间过长的材料，来自法国国家博物馆，这是因为他们能够去密特朗大厦等图书馆通过复印等方式收集。翻阅上述作品的结果之一是，我们能够收集到大量 20 世纪 40 年代的文献，其中包括作者去世后几家杂志出版的特刊。就目前的研究水平而言，有很多材料的分析并不令人满意，但从它们中浮现出的是，一个人在孤独中殉道，独自与西方理性主义或基督教一神论思想文化作斗争，虽然可以看出这一点。在法国各地，尤其是在日本，人们所广泛接受的不仅仅是诗人的简单形象。即使在那时，阿尔托已经是一位作家，人们正在分析他的作品，以了解他跨越多种流派的作品。因此，我们能够确认，这项研究的“色彩”视角揭示了这位艺术家的全貌，正如阿尔托研究开始后所预期的那样。