金属絶縁体転移を示す新奇遷移金属化合物の研究

具有金属-绝缘体转变的新型过渡金属化合物的研究

基本信息

批准号：
14740382
负责人：
加藤将樹
金额：
$ 1.98万
依托单位：
Kyoto University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份：
2002
资助国家：
日本
起止时间：
2002 至 2003
项目状态：
已结题

项目摘要

磁性元素が低次元的な構造を有する化合物では、銅酸化物における高温超伝導に代表されるように、強い電子相関に起因する多様な物性、量子現象が観測され、物性物理および化学における重要なテーマになっている。近年見いだされた、コバルト酸化物では初めての超伝導体であるNa_<0.35>CoO_2・1.3H_2O超伝導転移温度T_cは約5K)は、コバルト原子が2次元三角格子を形成し、典型的な低次元化合物である。三角格子においては、スピンフラストレーションやRVBなど様々な量子現象が注目されており、特異な電子相関に起因する新しい機構の超伝導が出現している可能性が予想される。本研究ではNa_<0.35>CoO_2・1.3H_2Oにおける超伝導の発現機構を解明するため、^<59>Co核の核磁気共鳴(NMR)を中心に微視的な電子状態の観察を行った。NMRではナイトシフトからCoサイトの静的な情報および核スピン緩和率(T_1)から動的な情報を得る事ができる。通常のS波超伝導体では、電子がスピン一重項のクーパー対を形成するため、微視的な帯磁率であるナイトシフトはT_c以下で減少するが、本化合物においてはほとんど温度変化が見られなかった。またT_1の温度変化において、S波超伝導体では超伝導ギャップの形成に伴う、いわゆるコヒーレンスピークがT_c以下で観測されるはずであるが、本化合物ではそれが見られなかった。さらにT_c以下のT_1の温度依存性は温度のベキ乗(約3乗)に従うことが明らかとなり、超伝導ギャップ関数がラインノードを有することが示唆された。以上のことから、この化合物における超伝導は、クーパー対がスピン三重項を形成する、スピントリプレット超伝導体であることが明らかとなった。さらに、T_c以上のT_1の温度変化おいて、強磁性的なスピン揺らぎを示唆する結果が得られており、スピントリプレット超伝導の発現機構と非常に重要な関連があると考えられる。

在磁性元素具有低维结构的化合物中，观察到由强电子相关性引起的各种物理性质和量子现象，例如铜酸盐中的高温超导性，这是凝聚态物理和化学中的重要主题。。最近发现的超导体Na_<0.35>CoO_2·1.3H_2O是氧化钴中的第一个超导体，其超导转变温度T_c约为5K），其中钴原子形成二维三角晶格，是典型的低温超导体它是一种维度化合物。自旋挫败和RVB等各种量子现象在三角晶格中引起了人们的关注，并且预计由于独特的电子相关性而产生的新的超导机制可能会出现。在本研究中，为了阐明Na_<0.35>CoO_2/1.3H_2O的超导机理，我们利用核磁共振（NMR）观察了^<59>Co核的微观电子态。在NMR中，Co位点的静态信息可以通过夜移获得，动态信息可以通过核自旋弛豫率（T_1）获得。在普通的S波超导体中，电子形成自旋单线态的库珀对，因此夜移（即微观磁化率）会在T_c以下降低，但在该化合物中，几乎没有观察到温度变化。此外，当温度在T_1变化时，在低于T_c的S波超导体中应该观察到与超导间隙形成相关的所谓相干峰，但在该化合物中没有观察到这一点。此外，还发现T_c以下的T_1的温度依赖性遵循温度的幂（大约三次方），这表明超导间隙函数具有线节点。由上可知，该化合物的超导性是库珀对形成自旋三重态的自旋三重态超导体。此外，结果表明，当T_1大于T_c的温度变化时，获得了铁磁自旋涨落，这被认为在自旋三重态超导机制中非常重要。