カイラリティの誘起する新奇なスピン輸送現象の解明

阐明手性引起的新型自旋输运现象

基本信息

批准号：
22KJ0856
负责人：
鈴木裕太
金额：
$ 1.09万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2023
资助国家：
日本
起止时间：
2023-03-08 至 2024-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

本研究課題では、カイラルな結晶構造をもつ非磁性金属でのスピン輸送現象に注目し、界面でのスピン電荷変換および電流誘起磁化に伴うスピン偏極の長距離性の理論的解明を目標としている。このように固体物理の立場からカイラリティとスピン伝導の関係を探索することは、広く有機分子から超伝導体に至るまで報告されているカイラル誘起スピン選択性への理解を深める上で意義深い。本年度は、カイラル金属でのスピン緩和・スピン拡散および界面でのスピン電荷変換を、緩和時間近似を超えたボルツマン輸送方程式の立場から定式化し、次の3つの成果を得た。(a)スピン依存化学ポテンシャルの描像に頼らない、スピン緩和時間およびスピン拡散長の自然な定義を与えた。これらの定義はスピンが擬保存量とみなせないような強いスピン軌道結合下においても妥当となる点で重要である。特に、スピン拡散長に関しては従来よりも一般化されたスピン成分・拡散方向ごとのスピン拡散長を定義した点で新しい。(b)有限の厚みをもつ非磁性金属とカイラル金属との接合系においてエーデルシュタイン効果を扱い、電流スピン流間の変換効率およびその他の輸送係数の解析的な表式を網羅的に与えた。(c)界面を介して生じた正・逆エーデルシュタイン効果間に成り立つオンサーガーの相反定理を明らかにした上、転送行列の手法によって両効果を交差応答の形式に整理した。成果(b)および(c)は、これまで現象論的に扱われてきた界面でのスピン電荷変換の機構を明白にした点で意義をもつ。また、これら3つの成果を補完するものとして、スピン分裂した2バンド模型にボルツマン方程式が適用できる条件を、微視的な非平衡グリーン関数の手法から裏付ける研究も行った。これらの研究結果に関して3件の口頭発表と3件のポスター発表を行い、成果をまとめた論文はPhysical Review B誌で出版されている。

在这个研究项目中，我们重点研究具有手性晶体结构的非磁性金属中的自旋输运现象，旨在从理论上阐明与界面自旋电荷转换和电流感应磁化相关的长程自旋极化。从固态物理学的角度探索手性与自旋传导之间的关系对于加深我们对手性诱导的自旋选择性的理解具有重要意义，手性诱导的自旋选择性已在从有机分子到超导体的所有领域中得到广泛报道。今年，我们从玻尔兹曼输运方程的角度出发，公式化了手性金属界面处的自旋弛豫、自旋扩散和自旋电荷转换，超越了弛豫时间近似，得到了以下三个结果。 (a) 我们给出了自旋弛豫时间和自旋扩散长度的自然定义，该定义不依赖于自旋相关化学势的描述。这些定义很重要，因为即使在自旋不能被视为伪守恒量的强自旋轨道耦合下它们也是有效的。特别地，关于自旋扩散长度，其新颖之处在于它定义了每个自旋分量和扩散方向的自旋扩散长度，这比以前更通用。 (b)我们处理了有限厚度的非磁性金属和手性金属之间的键合体系中的埃德尔斯坦效应，并综合提供了电流和自旋流之间的转换效率以及其他输运系数的解析表达式。 (c) 在阐明了通过界面产生的正负 Edelstein 效应之间的 Onsager 互反定理后，我们使用传递矩阵方法将这两种效应组织成交叉响应的形式。结果（b）和（c）很重要，因为它们阐明了界面处自旋电荷转换的机制，迄今为止该机制已被唯象学处理。此外，为了补充这三个结果，我们还进行了研究，以支持使用微观非平衡格林函数方法将玻尔兹曼方程应用于自旋分裂二能带模型的条件。针对这些研究结果进行了 3 次口头报告和 3 次海报展示，并在《物理评论 B》杂志上发表了一篇总结结果的论文。

项目成果

期刊论文数量（7）

专著数量（0）

科研奖励数量（0）

会议论文数量（0）

专利数量（0）

Spin Polarization, Spin Diffusion, and Spin-Charge Conversion in Chiral Metals

手性金属中的自旋极化、自旋扩散和自旋电荷转换

DOI：
发表时间：
2022
期刊：
影响因子：
0
作者：
鈴木裕太;加藤雄介;Y. Suzuki and Y. Kato;Y. Suzuki and Y. Kato
通讯作者：
Y. Suzuki and Y. Kato

カイラル金属界面でのスピン輸送現象

手性金属界面的自旋输运现象

DOI：
发表时间：
2022
期刊：
影响因子：
0
作者：
鈴木裕太;加藤雄介
通讯作者：
加藤雄介

カイラル金属表面でのスピン輸送と電流スピン流変換

手性金属表面上的自旋输运和电流自旋电流转换

DOI：
发表时间：
2022
期刊：
影响因子：
0
作者：
鈴木裕太;加藤雄介
通讯作者：
加藤雄介

量子輸送方程式によるカイラル金属バルクでのスピン輸送の記述

使用量子输运方程描述块体手性金属中的自旋输运

DOI：
发表时间：
2023
期刊：
影响因子：
0
作者：
鈴木裕太;加藤雄介
通讯作者：
加藤雄介

Spin relaxation, diffusion, and Edelstein effect in chiral metal surface

手性金属表面的自旋弛豫、扩散和埃德尔斯坦效应

DOI：
10.1103/physrevb.107.115305
发表时间：
2023
期刊：
Phys. Rev. B
影响因子：
0
作者：
Y. Arai;K. Kuroda;T. Nomoto;Z. H. Tin;S. Sakuragi;C. Bareille;S. Akebi;K. Kurokawa;Y. Kinoshita;W.-L. Zhang;S. Shin;M. Tokunaga;H. Kitazawa;Y. Haga;H. S. Suzuki;S. Miyasaka;S. Tajima;K. Iwasa;R. Arita and T. Kondo;上田有輝;上田有輝;Yuta Suzuki and Yusuke Kato
通讯作者：
Yuta Suzuki and Yusuke Kato