多文化国家オーストラリアの非白人系住民による新たな市民意識の形成に関する研究

多元文化澳大利亚非白人居民新公民意识形成研究

基本信息

批准号：
19K13460
负责人：
栗田梨津子
金额：
$ 2万
依托单位：
Kanagawa University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
财政年份：
2019
资助国家：
日本
起止时间：
2019-04-01 至 2024-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

4年度は3年度に引き続き、新自由主義時代のオーストラリアにおいて「望ましくない」市民として社会的に排除された先住民と非白人系移民・難民間で形成されつつある新たな市民意識の実態を明らかにすると同時に、集団間の共存を志向する市民意識を理解するための理論構築を試みた。とりわけ、第三の市民像の例として、都市の貧困地区において非白人系住民の間で行われる自警活動や子守等の互助行為を通して生成される帰属意識に加え、2020年にオーストラリアで起こったブラック・ライブズ・マター運動において形成された先住民とアフリカ難民をはじめとする非白人系移民・難民の連帯を媒介とした市民意識について、関係者への聞き取り調査を通して考察した。とりわけ、先住民活動家グループによる独自のSNSの言説分析により、多文化主義下で温存される人種差別への「怒り」や「悲しみ」といった情動が喚起され、読者の間で情緒的連帯が形成されたことが、都市での抗議集会へ非白人系住民を動員する契機となったことを明らかにした。さらに、このようなオンライン上での成員間の対話を通して形成される市民意識について、人類学におけるコスモポリタニズム論を参照しながら考察し、それは西洋由来の普遍的シティズンシップとは異なり、オーストラリアの特定の地域に根差す「根を張った」シティズンシップとして捉えられることを示した。そしてそのようなシティズンシップは、国連や国家によって押し付けられる「上からのシティズンシップ」ではなく、特定の地域において草の根レベルで形成される「下からのシティズンシップ」であり、国家の枠組みを超えて、社会公正や正義を求める人々がグローバルでつながるトランスナショナルなシティズンシップとしての様相をも呈することを指摘した。これらの成果の一部は、国際学会と論文に発表した。

从第三年开始，第四年将揭示在澳大利亚新自由主义时代被社会排斥为“不受欢迎”公民的原住民和非白人移民和难民中正在形成的新公民意识。当时，我试图构建一种理论来理解旨在实现群体之间共存的公民意识。特别是，作为第三种公民形象的一个例子，除了通过私刑和照顾贫困城市地区的非白人居民等互助行为产生的归属感之外，・通过对相关人员的采访，我们研究了由土著人民与非白人移民和难民（包括非洲难民）之间的团结所调解的公民意识，这种意识是在“生命也是命”运动期间形成的。特别是，原住民活动团体独特的SNS话语分析引发了对多元文化下持续存在的种族主义的愤怒和悲伤等情绪，并在读者之间建立了情感团结。据透露，这一事件是动员非白人居民的一个机会。在该市举行抗议集会。此外，我会参考人类学的世界主义理论来讨论通过成员之间的这种在线对话形成的公民意识，它不同于西方起源的普遍公民意识，它是澳大利亚的。表明公民身份可以被视为植根于特定地区的“扎根”公民身份。而这种公民身份并不是联合国或国家强加的“自上而下的公民身份”，而是在特定地区的基层形成的、超越国家框架的“自下而上的公民身份”。指出，它还呈现出跨国公民的一面，即寻求社会正义和正义的人们在全球范围内联系在一起。其中一些结果已在国际会议和论文中发表。