生存権の実現における「関係性」──自律を促進する構造転換の可能性

实现生命权的“关系”：促进自主的结构性变革的可能性

基本信息

批准号：
20K01301
负责人：
遠藤美奈
金额：
$ 1万
依托单位：
Waseda University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份：
2020
资助国家：
日本
起止时间：
2020-04-01 至 2024-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

2022年度は、前年度までと同様海外出張等は実施できなかったものの、学会報告及び研究会への参加が対面でかなうようになり、文献研究に合わせて研究へのフィードバックを直接的に得ながら課題に取り組むことができた。憲法13条の「個人の尊重」に「自由の保障」と「存在の保障」の二側面を見い出す見解は、すでに憲法学説によって示されていたところだが、本課題は二側面のうちとくに「存在の保障」に着目している。本年度はまず、生活困窮者自立支援法上の相談支援という制度における、複数の関係主体と憲法規範との交錯点を関係的視座から分析する論稿を公刊した。ここでの検討を通じて、「存在の保障」が関係性の構築を支援の本体部分と見る相談支援に憲法的位置づけが与えられることを確認した。続いて、経済システムが変化する中での生存権の射程について考察する学会報告を行い、それに基づく論稿をまとめた。そこにおいて、コロナ禍の困窮者の生存権実現に奔走した相談支援員や市民団体とその構成員を憲法上の権利の実現主体と位置付けうるとの着想を得、権利の実現は統治各機関によってのみ担われるのではなく、それらと前記のような市民社会の諸アクターとの相互作用の中でなされるものと捉えるべきとの視座を得ることができた。こうした関係的な視点は、本年度に執筆した判例評釈においても、事案の分析および規範間の関係を考えるうえで、活かすことができるものと認識した。

2022年，虽然不能像往年那样出国出差，但会议报告和参加学习小组都可以面对面完成，除了文献研究之外，我还能得到研究的直接反馈我能够解决这个问题。宪法第十三条中“尊重个人”有“自由的保障”和“生存的保障”两个方面的观点，宪法理论中已经有表述，但这个问题集中在两个方面的“保证存在”。今年，我们首次发表了一篇文章，从关系角度分析了《困难者自力更生支援法》下的咨询支援制度中的多个主体与宪法规范的交点。通过这次审查，我们确认“存在的保证”赋予咨询支持宪法地位，将建立关系视为支持的主要部分。接下来，我做了一个会议报告，考虑了经济体制变化中生存权的范围，并根据该报告编写了一篇论文。此时，我们想到，在新冠病毒大流行期间为实现有需要的人的生存权而努力的咨询支持人员、民间社会组织及其成员可以被定位为实现宪法权利的实体我得到的观点是，它应该被视为通过这些人与上述公民社会的各个参与者之间的互动而完成的事情，而不是单独进行的。我在今年写的案例评论中认识到这种关系视角可以用来分析案例并考虑规范之间的关系。