低分子芳香族化合物の高効率生産を指向したリグニン自動酸化機構の解明

阐明高效生产低分子芳香族化合物的木质素自氧化机制

基本信息

批准号：
21K05715
负责人：
細谷隆史
金额：
$ 2.66万
依托单位：
Kyoto Prefectural University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份：
2021
资助国家：
日本
起止时间：
2021-04-01 至 2024-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

リグノセルロースの主要成分であり天然芳香族高分子であるリグニンを、効率的かつ高選択的に低分子化する手法の開発は、リグノセルロース資源を脱炭素社会において有効的に利用する上で必要不可欠である。本研究は、リグニンから化学工業における基幹物質の1つであるバニリンを生産するための手法として工業化されている、アルカリ性自動酸化法における反応機構の解明を行うものである。アルカリ性自動酸化条件でのリグニン分解におけるバニリン生成は、1) リグニン中のbeta-エーテル構造の開裂によるグリセロール末端の生成、2)同末端のアルデヒドへの酸化分解によるバニリン末端の生成、3)バニリン末端の加水分解によるバニリン分子の脱離で進行する。本年度は、上記3)の過程であるバニリン末端からのバニリン分子の脱離反応についての研究を行った。本反応は、リグニン分子からの最終目的物であるバニリン生成を決定づける重要なプロセスである。モデル化合物を用いた諸検討により、バニリン脱離反応では、側鎖beta位に存在するバニリン残基の、alpha位、gamma位への転移反応がまず進行し、そこからバニリン分子の脱離が進行することが明らかになった。また、バニリン分子の脱離と競合する形で、高分子化反応が進行することも判明し、この副反応経路の存在によりバニリン生成反応の選択性が50％程度にとどまることがわかった。本知見は、バニリン末端が複数の反応段階を経てようやく生成しても、最終目的物であるバニリンに変換される割合はその半分程度であるという、極めて重要な示唆を与えている。さらに、反応系にクラウンエーテル類とナトリウムイオンとの包摂カチオンが共存することで、バニリン生成の選択性が向上するという、本反応が制御できる可能性を示すデータを得ることにも成功した。

开发一种有效，高度选择性地减少木质素的方法，木质纤维素的主要组成部分和天然芳族聚合物，对于在无碳社会中有效使用木质纤维素资源至关重要。这项研究将阐明碱性自氧化的反应机制，该反应机制已被工业化为生产香草蛋白的方法，这是木质素化学工业的核心物质之一。在碱性自氧化条件下木质素降解过程中的香草蛋白产生是通过1）通过木质素中β-纤维结构的切割形成甘油末端的。今年，我们对Vanillin末端的香草蛋白分子的消除反应进行了研究，这是上面的过程3）。该反应是一个重要的过程，它决定了木质素分子产生香草蛋白的最终靶标。使用模型化合物的各种研究表明，在香草蛋白消除反应中，存在于β侧链的香草蛋白残基的转移反应首先进行α和伽马位置，而消除了香草蛋白分子的转移反应。还发现，聚合反应以与消除香草蛋白分子竞争的方式进行，并且该侧反应路径的存在使香草素生产反应的选择性在50％左右。这一发现提供了极为重要的建议：即使在多个反应步骤之后最终产生了香草蛋白终端，香草蛋白转化为最终靶产品香草蛋白的百分比约为一半。此外，数据也成功地获得了可以控制这种反应的可能性，因为冠状醚和钠离子在反应系统中共存的包含阳离子可以提高香草蛋白产生的选择性。