２０世紀アンティーユ諸島フランス語詩における時空間的イメージの展開

20世纪安的列斯法国诗歌中时空意象的发展

基本信息

批准号：
15J03498
负责人：
廣田郷士
金额：
$ 0.58万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2015
资助国家：
日本
起止时间：
2015-04-24 至 2017-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

本年度はまず昨年度の研究を展開する形で、その成果をモロッコで行われたフランス語圏文学をめぐる国際学会にて発表した。『帰郷ノート』に現れる主体の口の動きに注目し、その動作がニグロの発話行為を規定しているのみならず、物理的なレベルでの主体形成を司る所作であることを明らかにした。この成果をさらに押し広げて、投稿論文の準備に取り掛かった。同論文では上記の主体形成の作用を、１９３０年代のセゼールの同化批判に関連させてより幅広い射程の中に位置づけ直し、詩人の最初期における「同化」と「消化」のアナロジーを明らかにした。本年度は研究の枠組みを多少変更させ、主に二つの方面へと調査と分析を広げた。戦間期の反植民地運動の諸相と、同時代の民族学と文学のインタラクティブな関係である。フランス国内における反植民地運動という歴史的コンテクストに組み入れ直されることで、セゼールの詩学の争点と価値がより明らかになると考えられる。本年度は関係する二次資料の分析に集中的に取り組んだが、今後アーカイブ等で一時資料の読解を進めていく予定である。また第二の民族学と文学の関係は、多くの黒人詩人が民族学に傾倒していったのと同時に、社会科学としての民族学もまた文学化していった歴史を持つというだけでなく、戦前の民族学の理論が、戦後の黒人詩の読解と理解とを規定した側面に注目し、その分析を進めた。グリッサンの詩作品については、今年度は初期作品の読解と分析を進めた。『島嶼界』（1953年）から『黒い塩』（1960年）に至る詩作品の分析を進め、主に風景と歴史の問題系を掘り下げる作業を進めた。同時に理論的側面から分析を補強するものとして、近年盛んに論じられる空間と詩学の相関関係をめぐる文学理論等の吸収を行った。また本年度はグリッサンの詩作の分析と並行して、彼の晩年の評論集『ラマンタンの入江』の翻訳にも取り掛かっている。

今年，我首先扩展了去年的研究，并在摩洛哥举行的法语文学国际会议上介绍了研究结果。围绕《归家笔记》中出现的主体嘴部动作，我阐明了这些动作不仅定义了黑人的言语行为，而且在身体层面上支配着主体的形成。我们扩展了这一结果并开始准备提交论文。本文结合塞泽尔20世纪30年代对同化的批判，在更广阔的范围内重新定位了上述主体形成的影响，并澄清了诗人早年“同化”与“消化”之间的类比。今年，我们稍微改变了研究框架，将调查分析扩展到两个主要领域。这是两次世界大战期间反殖民运动的各个方面与当代民族学和文学之间的互动关系。通过将其重新纳入法国国内反殖民运动的历史语境，相信塞泽尔诗学的问题和价值将会更加清晰。今年，我们集中分析相关二手材料，但我们计划继续阅读档案和其他来源的临时材料。民族研究与文学的第二个关系不仅是许多黑人诗人转向民族研究，而且民族研究作为一门社会科学也有文学化的历史。我重点分析了战前民族研究理论的各个方面。决定了战后黑人诗歌的阅读和理解。关于格里森特的诗歌作品，今年我们在早期作品的阅读和分析方面取得了进展。他分析了从《岛屿世界》（1953）到《黑盐》（1960）的诗歌作品，主要探讨景观和历史问题。同时，为了加强理论层面的分析，我们吸收了近年来讨论活跃的关于空间与诗学关联的文学理论。此外，今年，在分析格利桑诗歌的同时，我还致力于翻译他已故的评论集《拉曼丁湾》。