水系生態系における環境評価指標としての安定同位体比の確立

水生生态系统环境评价指标稳定同位素比值的建立

基本信息

批准号：
16710021
负责人：
山田佳裕
金额：
$ 2.43万
依托单位：
Kagawa University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份：
2004
资助国家：
日本
起止时间：
2004 至 2005
项目状态：
已结题

项目摘要

対象とする以下の水系において窒素の濃度や安定同位体比から窒素循環の特徴を解析した。・新川水系では河川中の堰によって水を滞留させる等、高度水利用が行われている。源流で1mg/1を超える窒素が存在した。雨が少ないため、地表面の水の濃縮率が高くなるためと考えられた。中〜下流では窒素濃度が上昇し、クロロフィルa濃度も上昇した。窒素安定同位体比は最上流で1.3‰、下流で7〜10‰の高い値を示した。一方、干潟域においては、伏流水中のアンモニア態窒素は1000μg/lを超えた。河口堰で溜められた河川水の窒素は伏流水となって干潟へ流出していることが考えられた。藻類の窒素安定同位体比は最大14%と高く、干潟の土壌中における脱窒が下流域の窒素循環や浄化に重要であることが示された。・吉野川水系中流域は扇状地となっており、上流から下流にかけて徐々に人口や農地が増加する。大規模な都市は存在しない。窒素の濃度や同位体比は、集水域における人口の増加や農地の増大に伴って増加し、窒素濃度と安定同位体比と間にはδ^<15>N(NO_3-N)=23.1×NO_3-N(mg/l)-2.8(r=0.837 p<0.001)の関係があった。これは、土地利用の増加にともなう窒素負荷と水質汚染を示したものと解釈できる。この水系の単純な物質循環系は河川への人為的な影響や生態系の浄化能力について解析するのに良い対象であることがわかった。・琵琶湖-淀川水系の無機態や有機物のδ^<15>Nは琵琶湖北湖で約7‰の高い値を示し、窒素が脱窒によって浄化されていることが示唆された。琵琶湖下流での、堆積物や水生生物のδ^<15>Nも高く、琵琶湖で生産された有機物の影響は淀川中流域まで及ぶことが明らかになった。以上より、今後、濃度等の定量的情報に加えや安定同位体比の情報を蓄積することで、河川水質の管理、保全のための評価が向上すると思われる。

从以下水系统中的氮浓度和稳定同位素比分析了氮循环的特征。・在新川水系中，利用河道堰蓄水等，实行超前用水。源头处存在超过 1 毫克/1 的氮。这被认为是由于降雨不足，导致地表水浓度增加。中下游地区氮素浓度升高，叶绿素a浓度也升高。氮稳定同位素比值在最上游地区高达1.3‰，在下游地区高达7-10‰。另一方面，滩涂地区地下水氨氮超1000微克/升。据认为，河口堰储存的河水中的氮作为地下水流入滩涂。藻类稳定氮同位素比值高达14%，表明滩涂土壤反硝化作用对于下游地区的氮循环和净化具有重要意义。・吉野川水系中游形成冲积扇，从上游到下游人口和耕地逐渐增加。没有大城市。氮浓度和同位素比随着流域人口和农田面积的增加而增加，氮浓度与稳定同位素比的关系为δ^<15>N(NO_3-N)=23.1×NO_3- N(mg/l)-2.8 (r=0.837 p<0.001)。这可以解释为由于土地使用增加而导致氮负荷和水污染的迹象。该水系的简单物质循环系统是分析人为对河流影响和生态系统净化能力的良好目标。・琵琶湖-淀川水系中无机物和有机物的δ^<15>N在琵琶湖和北湖中显示出约7‰的高值，表明氮通过反硝化作用被净化。琵琶湖下游沉积物和水生生物的δ^ 15 N也较高，表明琵琶湖产生的有机物的影响延伸至淀川中游。综上所述，今后，除了浓度等定量信息外，通过积累稳定同位素比值信息，将改善河流水质管理和保护的评价。