乾燥地で進化してきた樹木の強い光に対する防御機構と葉の形質との関連

干旱地区进化的树木叶片性状与强光防御机制的关系

基本信息

批准号：
18K05726
负责人：
辻祥子
金额：
$ 2.75万
依托单位：
Kyoto University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份：
2018
资助国家：
日本
起止时间：
2018-04-01 至 2024-03-31
项目状态：
已结题

项目摘要

植物の光合成には光が不可欠だが、葉に照射される光が強すぎると特に光化学系II（PSII）に損傷を与え、光合成活性の低下（光阻害）を引き起こす。植物には過剰な光エネルギー下で光損傷を受けたPSIIを修復する有効な機構があることが知られており、光損傷の速度が修復の速度を上回った場合に光阻害が起こる。この2つの過程は、葉緑体のタンパク質合成を阻害しPSIIの修復を阻害することで別々に解析することが可能である。今年度の実験では、異なる環境下で生育する常緑樹および落葉樹18種の木本植物を用いて、光阻害の機構を検討した。葉に強い光を照射し、リンコマイシン存在下と非存在下でPSII量子収率の変化をクロロフィル蛍光測定でモニターし、光障害（不活性化）の速度定数（kpi）と修復の速度定数（krec）を算出した。その結果、木本植物18種はkpiとkrecのバランスにおいて異なる性質を持ち、過剰な光エネルギーに対処する戦略の違いを示していることが示唆された。木本植物種の生理的・生態的側面について、その生息地や葉の形態的特徴との関連で考察した。今年度は、まず、PSIIの壊れやすさと修復のしやすさの種間差によって18樹種は３つのタイプに分けることができた。そして、そのそれぞれのタイプは、生息地の特徴をよく反映していた。また、PSIIの修復のしやすさは、窒素含有量と非常に強い相関関係があることがわかった。光阻害によるPSII活性の抑制は、積極的な電子伝達の抑制で活性酸素の発生を防ぐという役割もある可能性が示唆された。これらのことは、複雑な多様な樹木で、かつ、自然変動光下における「光阻害」の実態の一部を明らかにできたもので、これまで草本植物に限られていた光阻害研究に新しい知見を加えることができている。来年度は、複雑な森林生態における光合成が関わる「種の戦略」を植物生理のレベルで明らかにする。

光对于植物的光合作用是必不可少的，但是如果对叶子辐照的光太强，则会损害光系统II（PSII），尤其是导致光合作用活性的减少（光抑制）。已知植物具有在过多的光能下修复受到损伤的PSII的有效机制，并且当光损伤速率超过修复速率时，就会发生光抑制。可以通过抑制叶绿体蛋白合成和PSII修复来分别分析这两个过程。今年的实验使用了在不同环境下生长的18种常绿植物植物，检查了光抑制的机制。在存在和不存在林霉素的情况下，通过叶绿素荧光测量来监测叶子的叶子量子的变化，并计算了修复的光激活和速率常数（KREC）的速率常数（KPI）。结果表明，在KPI和KREC之间的平衡中，有18种木本植物具有不同的特性，表明处理过多的光能的策略差异。讨论了木本植物物种的生理和生态方面，就其叶片的栖息地和形态学特征而言。今年，我们能够将18种树种分为三种类型，这取决于psiis的脆弱性和易于修复的差异。每种类型都密切反映了栖息地的特征。还发现，PSII的易于修复与氮含量高度相关。已经提出，通过光抑制作用抑制PSII活性也可能在防止通过抑制活性电子传输的活性氧的产生发挥作用。这些因素揭示了在复杂和多样化的树木中自然波动下的一些实际状态“光抑制”，并为有关光抑制作用的研究增加了新的发现，以前限于草本植物。明年，我们将阐明植物生理水平上复杂森林生态学中光合作用的“物种策略”。

项目成果

期刊论文数量（16）

专著数量（0）

科研奖励数量（0）

会议论文数量（0）

专利数量（0）

強光ストレス下における樹木の色素含有量の変化と光阻害耐性の多種間比較：Comparison of changes in several trees photosynthetic pigment in leaves and photoprotection to strong light stress.

几种树木叶片光合色素变化及强光胁迫保护的比较

DOI：
发表时间：
2020
期刊：
影响因子：
0
作者：
辻祥子(京都大学農学研究科);上妻馨梨(東北大学生命科学);伊福健太郎(京都大学農学研究科);彦坂幸毅(東北大学生命科学);杉本咲・石田清;渡辺陽平・高橋蓮・大類瑞穂・山田大登・石田清;辻祥子1 ・上妻馨梨2 ・伊福健太郎1 ・彦坂幸毅2 (1京都大学大学院農学研究科・ 2東北大学大学院生命科学研究科);石田清・杉本咲・大類瑞穂;辻祥子・上妻馨梨・小澤理香・伊福健太郎・中野雄司・石田厚・彦坂幸毅
通讯作者：
辻祥子・上妻馨梨・小澤理香・伊福健太郎・中野雄司・石田厚・彦坂幸毅

小笠原諸島における強光下で生育する個葉の光ストレスに対する生理生態反応

小笠原群岛强光下单叶对光胁迫的生理生态反应

DOI：
发表时间：
2021
期刊：
影响因子：
0
作者：
松山秦;坂田剛;岡義尭; 鈴木拓也;小澤舜;安元剛;古平栄一;中野隆志;関川清広;石田厚
通讯作者：
石田厚

熱帯林冠木における大気飽差に対する気孔反応と葉の特性に関する研究

热带冠层树木气孔对大气饱和度的响应及叶片特性研究

DOI：
发表时间：
2020
期刊：
影响因子：
0
作者：
辻祥子(京都大学農学研究科);上妻馨梨(東北大学生命科学);伊福健太郎(京都大学農学研究科);彦坂幸毅(東北大学生命科学);杉本咲・石田清;渡辺陽平・高橋蓮・大類瑞穂・山田大登・石田清;辻祥子1 ・上妻馨梨2 ・伊福健太郎1 ・彦坂幸毅2 (1京都大学大学院農学研究科・ 2東北大学大学院生命科学研究科);石田清・杉本咲・大類瑞穂;辻祥子・上妻馨梨・小澤理香・伊福健太郎・中野雄司・石田厚・彦坂幸毅;大類瑞穂・山田大登・石田清;辻祥子・上妻馨梨・小澤理香・伊福健太郎・中野雄司・石田厚・彦坂幸毅;杉本咲・石田清;石田清;皆木寛司・河合清定・中村友美・才木真太朗・矢崎健一・石田厚;高木広陽・石田清;松山秦・坂田剛・岡義尭・鈴木拓也・小澤舜・安元剛・古平栄一・中野隆志・関川清広・石田厚;蛯名敢大・石田清;松山秦・坂田剛・岡義尭・鈴木拓也・安元剛・古平栄一・中野隆志・関川清広・石田厚;杉本咲,・石田清;岡義尭（北里大海洋），鈴木拓也（北里大海洋），松山秦・神保充・天野春菜・渡部終五・関川清広・中野隆志・安元剛・坂田剛・石田厚;高木広陽・石田清;鈴木拓也・坂田剛・松山秦・岡義尭・安元剛・石田厚・古平栄一・関川清広;杉本咲・石田清;辻祥子・中静透・蔵治光一郎・久米篤・半場祐子;蛯名敢大・石田清;辻祥子・中静透・蔵治光一郎・久米篤・半場祐子
通讯作者：
辻祥子・中静透・蔵治光一郎・久米篤・半場祐子

ルビスコの基質特異性には葉の経済スペクトラムに関連した種間差が存在する

Rubisco 与叶经济谱相关的底物特异性存在种间差异。

DOI：
发表时间：
2020
期刊：
影响因子：
0
作者：
辻祥子(京都大学農学研究科);上妻馨梨(東北大学生命科学);伊福健太郎(京都大学農学研究科);彦坂幸毅(東北大学生命科学);杉本咲・石田清;渡辺陽平・高橋蓮・大類瑞穂・山田大登・石田清;辻祥子1 ・上妻馨梨2 ・伊福健太郎1 ・彦坂幸毅2 (1京都大学大学院農学研究科・ 2東北大学大学院生命科学研究科);石田清・杉本咲・大類瑞穂;辻祥子・上妻馨梨・小澤理香・伊福健太郎・中野雄司・石田厚・彦坂幸毅;大類瑞穂・山田大登・石田清;辻祥子・上妻馨梨・小澤理香・伊福健太郎・中野雄司・石田厚・彦坂幸毅;杉本咲・石田清;石田清;皆木寛司・河合清定・中村友美・才木真太朗・矢崎健一・石田厚;高木広陽・石田清;松山秦・坂田剛・岡義尭・鈴木拓也・小澤舜・安元剛・古平栄一・中野隆志・関川清広・石田厚;蛯名敢大・石田清;松山秦・坂田剛・岡義尭・鈴木拓也・安元剛・古平栄一・中野隆志・関川清広・石田厚
通讯作者：
松山秦・坂田剛・岡義尭・鈴木拓也・安元剛・古平栄一・中野隆志・関川清広・石田厚

多様な木本植物の光化学系II光損傷速度および修復速度に関する研究　“Interspecific comparison of the rate constants of photo-damage and repair of photosystem II between various woody species

“不同木本物种之间光损伤和光系统 II 修复速率常数的种间比较

DOI：
发表时间：
2023
期刊：
影响因子：
0
作者：
Shoko Tsuji; Toru Nakashizuka;Koichiro Kuraji;Atsushi Kume;Yuko T. Hanba;斉藤正一・古澤優佳・千葉翔;渡辺陽平・白濱千紘・石田清;辻祥子・上妻馨梨・落合久美子・伊福健太郎・彦坂幸毅
通讯作者：
辻祥子・上妻馨梨・落合久美子・伊福健太郎・彦坂幸毅